江戸鼈甲細工

磯貝ベッ甲専門店
磯貝 一

江戸鼈甲細工

1941年生まれ、2002年 墨田区登録無形文化財に認定。2007年東京都優秀技能者(東京マイスター)知事賞受賞。磯貝ベッ甲専門店は、現在親子三代、昭和14年創業以来、自然と伝統文化の共存を目指し、限られた貴重な資源を大切にして伝統工芸を後世に引き継いでいくと共に、美しい鼈甲製品を世に送り出す努力を行っている。

接着剤のなかった昔、材料自身が接着する(ニカワ質の為)牛の角や馬の爪、亀の甲等を利用して髪飾り等の装飾品が作られてきた。材料の調達が困難にもかかわらず、亀の甲で作るべっ甲が現在までも皆に親しまれ使われてきたのは甲の持つやわらかさ、色合い、軽さ等が日本人の肌に一番合ったのであろう。古くは、奈良時代から継承されている装飾品としての鼈甲製品。ぬくもりと潤いのある伝統工芸品である江戸鼈甲は、熟練した職人がひとつひとつ心をこめて手作業で仕上げ、いずれも味わい深く気品に満ちている。